3 月 11 日の東日本大震災の約 1 ヵ月後から、一般ボランティア団体を通して、土日や GW を利用し、 石巻市の中学校にて避難所のお手伝いをしています。 その際、体育館や教室のプライベートのない生活のようすを目の当たりにしました。この生活を 3 ヶ月 も続けていれば、生活を立て直そうもう一度ここでがんばろう、という心まで弱ってしまうと感じました。 そのような環境を目の前に、自分は何をしてあげられるか?自問自答しながらお手伝いを続けました。
あるとき、避難者の方から「あの 人、パーティションも高くたてちゃって、嫌ね」という声を聞きました。 パーティションの材料はその避難所にも提供されていますが、ほとんどが未使用のまま体育館の隅に山積 みになっており、ここに東北地方の【出る杭は打たれる】という風土を感じました。 別の機会に、避難所暮らしのなかでも身なりをきれいに整えているおばさんから、「しっかりした段ボー ル箱に、洋服を入れたい」という声も聞きました。支援物資でもらう段ボールは薄く、中身が減った状態 で重ねると崩れてしまいます。特に、女性は自分の着る物や持ち物を粗雑に扱いたくない、生活をきちん としたいと思っている、と感じました。 また、避難所でいつも一緒に遊んでいる子がけがをしてしまい、消毒をするためにその子が生活してい る教室に入る機会がありました。教室は空間が小さい分、体育館より環境が良いと思っていましたが、湿 気のこもる理科実験室の実験台の間の床で、まだ 2 歳のその子の妹が寝ていました。教室も収納がないた め、ありとあらゆるところにゴミや薬や衣服があふれていました。
おしゃれなあのおばさん、いつも遊ぶあの子、この避難所に居る人たちの環境を少しでも良くしたい。
そ こで、思いついたのが ” 棚 ” です。 棚を積み上げていれば、「ただ棚を積み上げているだけよ」と、パーティションを露骨に建てるような【出 る杭は打たれる】の行為にとられず、空間を仕切ることができます。また、しっかりとした素材で作るこ とで、重ねても運んでも壊れにくくすることができます。そして、少しでも床にあふれているものを収納 することができれば、ほんの少しだけど、日常の生活に近づくのではと思いました。 今回の震災ではとにかく避難者数が多いため、人数調整による避難所から避難所への二次・三次避難が 多くあり、そして最終的には仮設住宅等への引越しが発生します。その度にものを移す手間を、どうにか はぶけないかと思い、棚をそのままを運べ、そしてまたすぐ重ねられるとよいのでは、と考えました。
このような経緯で、「持ち運びがしやすく、ダンボール箱よりすこしじょうぶな棚」を思いつきました。
も ちろん、仮設住宅に入ってからも、この棚を使うことができます。 福岡県沖、新潟中越沖地震で、棚の必要性を仮設住宅に「入ってから気づく」という声を聞き、ホーム センターで材料を取り寄せ棚を作成したという話がありました。今回の震災でも、棚は経済的な理由から 購入を後回しにしてしまうとのことで、入居後も床にものを直において生活している方もいるそうです。 材料は軽くて丈夫な段ボール系の素材を想定しており、簡素で冷たい感じの仮設住宅の中に、” 紙 ” と いう柔らかいなじみあるものを用いることで、あたたかな雰囲気をつくることができればと考えています。
棚を提供する際には、も う「与えられるだけの生活」にうんざりしている方たちにも、是非いっしょになっ て、自分の棚をつくってもらいたいと考えています。組み立て式にすることで、一度に運搬できる数を増 やし、たくさんの避難生活を送っておられる方々に、たくさんの棚を届けられればと思います。
このような想いから、避難所で暮らしている人や仮設住宅に入居された方々に、 ” 棚 ” を届け、少しでもよい環境をつくりだしたい、と考ています。
tanaproject /もりひろこ
※この企画書の一部は、6月時点で編集したものであり、今後の活動は時期を鑑み時々で変化していく予定です。
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3 月 11 日に起こった東日本大震災から4ヶ月以上たった今も、
いまだ多くの方々が避難生活を送っています。
今なお体育館や教室で、他の家族との境がないためにプライバシーがなく、
ものを直に床に置いたり、支援物資の段ボール箱に服をかけたりといった、
日常とはかけ離れた生活を送っています。
いまだ多くの方々が避難生活を送っています。
今なお体育館や教室で、他の家族との境がないためにプライバシーがなく、
ものを直に床に置いたり、支援物資の段ボール箱に服をかけたりといった、
日常とはかけ離れた生活を送っています。
◇
現在避難生活をされている方、仮設住居に入居し始めた方に、
“ 棚 ”を届けに行きたい。
“ 棚 ”を届けに行きたい。
避難所で生活している間も、仮設住宅に移って生活を始めるときにも、
身の回りのものを整理し“日常の生活”に近づることで、
よりよい環境づくりをお手伝いしたいと考えています。
◇
tanaは、ただ棚を提供するのではなく、
いっしょにまわりの人たちといっしょにつくることで、
ものをつくるたのしさをかんじたり、
避難所や仮設住宅でのコミュニケーションをうみだす、
場もつくりだします。
◇
すこしでもおおくのtanaを避難生活をされている方へ届けにいきたい。
ちいさな想いからはじまったプロジェクトです。
身の回りのものを整理し“日常の生活”に近づることで、
よりよい環境づくりをお手伝いしたいと考えています。
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tanaは、ただ棚を提供するのではなく、
いっしょにまわりの人たちといっしょにつくることで、
ものをつくるたのしさをかんじたり、
避難所や仮設住宅でのコミュニケーションをうみだす、
場もつくりだします。
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すこしでもおおくのtanaを避難生活をされている方へ届けにいきたい。
ちいさな想いからはじまったプロジェクトです。
※この企画書の一部は、6月時点で編集したものであり、今後の活動は時期を鑑み時々で変化していく予定です。